栃木県日光市の日光だいや川公園の西にある「だいや体験館」には、色々な体験講座が行われています。
「だいや体験館」の一室に「日光東照宮の10分の1模型」があり無料で見学が可能です。
この記事では「日光東照宮の10分の1模型」の利用の仕方、見どころなどをまとめています。
日光東照宮の見どころが完璧に解ります。
10分の1模型で解る日光東照宮の見どころ
だいや体験館の10分の1日光東照宮模型で解る日光東照宮の見どころ
- 五重塔の5層の唐様
- 表門の仁王像と神仏混合様式
- 上神庫の上部に施された想像の象の彫刻
- 神厩舎の三猿
- 陽明門の逆さ柱、龍の天井画、目貫の龍、沢山の彫刻
- 左右に伸びる回廊の透かし彫り
- 唐門の寄木細工
- 回廊の眠り猫
奥宮はこの模型にはありません。
だいや体験館とは
だいや体験館は日光だいや川公園の西の方にある体験のできる施設です。
農業体験をはじめ、伝統工芸に関わること、ものづくりや歴史・文化を学べるいろいろな講座を開講しています。
入口にその作品の一部が展示されていました。
体験館の一室に日光東照宮の10分の1模型が展示されており、無料で見ることが可能です。
今回、この日光東照宮の10分の1模型を見せてもらいましたので、紹介します。
日光東照宮模型
日光東照宮の10分の1模型が展示してあります。
作られたのは大正12年から昭和3年までの6年間とのことです。
陽明門をはじめとする建物と絵画、彫刻などを細密に再現した傑作です。
しかも、昭和・平成の修復前の模型ですので、現在とは違う大正末期の姿が保存されています。
10分の1精密模型
日光東照宮の建物を1/10に縮尺し再現した木造漆塗り精密模型です。
東武ワールドスクウェアは1/25の縮尺ですが、それに比べると倍以上の大きさです。
陽明門の彫刻物をはじめ、本地堂の天井画の鳴き龍なども、日光東照宮全体の構造と装飾と絵画に至るまで精密に華麗に再現されています。
日光東照宮模型の歴史
日光東照宮模型は大正12年から昭和3年までの6年間で製作されました。製作者は富山県の数十人の彫刻師達で、棟梁は「初代 十二町仁三吉(じゅうにちょう にそきち)」とのことです。
製作費は当時の金額で7万円との事で、現在の価値では1億2千万円と言われています。
依頼したのは宮城県石巻市の青沼紋之丞(あおねまもんのじょう)さんとの事です。
青沼紋之丞さんはそれ以前に日光東照宮の1/15模型を手に入れていたのですが、その出来に満足できずに1/10模型を製作しこの傑作が出来ました。
この模型は昭和3年の名古屋博を皮切りに、国内博覧会、展覧会の常連となり、日光に行かず日光を見られたと特に地方で好評でした。
その後売却されたこの模型は、昭和55年に東武鉄道株式会社が所有し、平成9年に栃木県に寄贈され、平成17年よりここ「だいや体験館」に展示されています。
この模型が無料で見られるのですから、凄いですよね。
観覧時の注意
観覧時の注意点としては、大変貴重な作品なので、触ったりしてダメージを与えないようにしたいものです。
- 模型には手を触れない。
- 子供から目を離さない。
案内
日光東照宮1/10模型は、実際の日光東照宮に近い配置で展示されています。
初めに入り口から遠くなるのですが、一番奥の1/200ジオラマ模型を見ると全体が把握できます。階段・スロープを上がるとデッキから全景を眺められます。
1/200ジオラマ
館内の眺め
日光東照宮の「実際の配置図(左)」と 「この部屋の配置図(右)」の資料がありました。
実際に近い配置で展示されています。
デッキから見た館内の主要部分です。
陽明門付近
五重塔付近
あれ、展示室の全景を撮ったつもりでしたが、中央は人がいたので撮らなかったまま、結局撮り忘れています。^^;
↓
追加しました。^^
それぞれの模型
それでは個別に模型を紹介していきます。
部屋の入り口には「日光東照宮模型展示室」の縦幕が貼られています。
素敵なデザインですね!
受付案内の看板です。
ここにガイドさんが居るかもです。
事前に予約もできて、詳しく解説してくれますよ。
表門のところにこの模型の解説がありました。
表門(おもてもん)
神厩舎(しんきゅうしゃ)
三猿
神厩舎には三猿が飾られています。
御水舎(おみずや)
輪蔵(経蔵)りんぞう(きょうぞう)
鼓楼(ころう)
上神庫・中神庫・下神庫(かみじんこ・なかじんこ・しもじんこ)
想像の像
鐘楼(しょうろう)
陽明門
陽明門の後方に唐門、拝殿の入口が見えている写真です。
陽明門の竜の天井絵が見えるように鏡が置いてあり、この写真にも写っています。
鏡に映った天井の龍
陽明門の逆さ柱
入る時に、陽明門をくぐり終わる処の北側の西から二本目の柱は一本だけ模様が逆さになっています。
写真はありません。
神楽殿(かぐらでん)
例大祭の時などに、神楽を奏する建物です。
入母屋造りで、縁には朱漆塗りの高欄をめぐらせ、長押には漆塗り金箔押しの唐草と菊の蜜陀彩色が施され、秋の草花を籠に盛った薄肉彫りが腰羽目にあります。
神輿舎(しんよしゃ)
下の写真は、左の一番大きいのが神楽殿、中央奥が陽明門。
その右が神輿舎で、その手前の白いのが唐門です。
春・秋の例大祭に行われる百物揃仙人行列で渡御される神輿(みこし)3基が安置されています。
鏡天井には、天女の図が描かれており、また、軒唐破風の下には家康公の干支に因んで虎の彫刻が施されています。
唐門
拝殿・石の間・本殿への入口が唐門です。
拝殿・石の間・本殿
下の写真の左端で切れているのが唐門。
左が拝殿、右が本殿。拝殿と本殿を繋ぐのが石の間です。
拝殿を中心に撮ってみました。
下の写真で左に見えるのが陽明門。
中央が拝殿、右が本殿です。
本殿の後方からの写真です。
権現造りと言われる代表的な建物で、柱・羽目・天井・建具・彫刻類・飾り金具などの全てに精巧精粋を尽くしています。
本殿は、東照宮の神霊を祀る最も神聖な場所です。
脇障子の透かし彫り天女奏楽図の彫刻をはじめ、最高の材料と至高の技法が用いられています。
拝殿は、左右に将軍・法親王の参拝時にだけ使われた着座の間があり、この額羽目(壁板)には唐木の象嵌(寄木細工)で鳳凰や鷹の姿が施してあります。
石の間は、拝殿と本殿を結ぶ権現造の特徴を示す一段低い部屋です。畳床下に敷石があって古風な形式を残しています。
眠り猫
回廊の北東の奥の方に眠り猫が飾られています。
下の写真の上の中央なのですが、空いている扉の上の白い猫が見えますでしょうか?残念ながら顔の一部が張りの影になってしまっています。
実は、扉の下に鏡が置かれており、反射して上にある眠り猫を見ることが出来ます。
更に、別な場所(すぐそばの壁)に原寸大の当時の眠り猫が再現されており飾られています。
現在の眠り猫とは表情がかなり違います。比べてください。
本地堂(薬師堂)ほんちどう(やくしどう)
東照宮の御祭神家康公の本地仏・薬師如来を祀るお堂です。入母屋造り、朱漆塗り、極彩色を施し内部の各丸柱は漆塗りで金箔仕上げです。
天井に描かれた龍の頭の下で手を打つと、音が床と天井の間で共鳴して龍が鳴いているように聞こえ「鳴き龍」として有名です。
中も詳細に造り込まれています。
鳴き龍
内部天井には1961年に本地堂(薬師堂)を焼失する前の鳴き龍の絵が模写され描かれています。
狩野永真安信による建立時のオリジナルの鳴き龍です。
現在の鳴き龍は再建時に竪山南風(かたやまなんぷう)によって描かれました。
現在の鳴き龍は下の資料の状況です。
模型の天井を覗いてみました。
備え付けの懐中電灯があったのですが、写りは今一歩ですね。
確かに焼失前の鳴き龍の様です。
なんとか龍の姿が解るような写真が撮れました。
龍が鳴くので鳴き龍と呼ばれるのですが、ガイドさんの話では、焼失前の鳴き龍は今よりも更に鳴いたとの事です。
鳴き龍と薬師堂の仕組みと歴史について知りたい方は、この記事(内部リンク)を参照ください。
上社務所(祈祷殿)
うん、上社務所の写真を撮っていないな。^^;
五重塔(ごじゅうのとう)
当初の五重塔は小浜城主、酒井忠勝公の寄進でしたが、消失したため文政元年(1818)に酒井家によって再建し奉納されました。
高さ34.5m、総体漆塗り彩色が施された華麗な造りで、屋根は下から4層までは和様ですが、5層だけは唐様で、組物や垂木に曲線を施し、趣向を凝らしてあります。
下の写真ではよく解ります。確かに5階だけ下と作りが違いますね。
心柱が見えます。
心柱の最下端は丸まっているのですね!!
驚きました。
だいや体験館の体験講座
だいや体験館の体験講座は、それぞれ1ヶ月前から受付します。
直近では、日光の杉、竹を使った体験授業などがあります。
農業体験講座は4月1日より受付します。
じゃがいも収穫、梅収穫などの体験があります。
だいや体験館へのアクセス
だいや体験館
所在地:〒321-1424 栃木県日光市野口224
電話:0288-21-4421
FAX:0288-21-4422
開館時間:午前9時から午後5時
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
:年末年始(12月29日〜1月1日)
アクセス方法
車でのご利用の場合
日光宇都宮道路 今市IC下車約4km
西駐車場(無料)へ駐車ください。
電車でのご利用の場合
東武日光線 上今市駅降車 徒歩26分(1.8km)
路線バスをご利用の場合
瀬川停留所降車し、徒歩約20分
アクセス方法の更なる詳細を知りたい方は、日光だいや川公園の記事(内部リンク)を参照ください。
指定管理者:日光緑化グループ
ホームページ:日光だいや川公園のだいや体験館