日光、その名だけで心を引きつけるこの地は、輪王寺大猷院という文化的宝庫を擁しています。
長い歴史と壮麗な建築が織りなす、この精神的な聖地を訪れることは、単なる観光を超えた体験です。
本ガイドでは、日光の輪王寺大猷院の隠れた魅力、訪問のコツ、そして見逃せないスポットを紹介し、訪問者がこの歴史的名所から得られる唯一無二の体験を最大限に引き出すための情報を提供します。
はじめに:日光の輪王寺大猷院へようこそ
日光の輪王寺大猷院は、その豊かな歴史と独特の建築美で知られる、日本有数の文化財です。
この場所は、日本の歴史における宗教的、文化的な重要性を今に伝える貴重な遺産であり、国内外から多くの観光客が訪れる名所となっています。
輪王寺は、二荒山神社や日光東照宮とともに平成11(1999)年に日光の社寺として世界遺産に登録されています。これらの名所とともに日光を代表する観光スポットの一つとなっています。
特に、輪王寺大猷院は、東照宮より後から建てられており、技術的にも技法的にも東照宮とはまた違った建築物を見ることが出来ます。
このガイドでは、輪王寺大猷院の歴史的背景、建築的特色、そしてその周辺にある重要な文化財との関連性にも触れながら、訪れる際の重要なポイントを詳細に解説します。
訪問を検討している方々が、この史跡の全貌を深く理解し、訪問の際に得られる貴重な体験を最大限に引き出せるような情報を提供することを目指しています。
見どころガイド:日光の輪王寺大猷院の歴史と建築
日光の輪王寺大猷院は、その豊かな歴史と壮麗な建築で知られています。
日光山輪王寺は、奈良時代の創建以来、一大霊場として栄え、黄金に輝く3体の御本尊など、貴重な文化財の数々が今に残されています。
大猷院には徳川家光が祀られています。大猷院の正面の方向には家康の墓がある山があります。
歴史的背景
「大猷院」は、8世紀末に、日光を開山した勝道上人の創建による四本竜寺を起源とし、日光山の中心寺院として発展してきました。承応2年(1653年)に、三代将軍・徳川家光公の霊廟(れいびょう)である大猷院が境内に造営されて以来、徳川幕府の尊崇を受けました。
多くの信者や参拝者を引き寄せてきました。創建当初からその宗教的、文化的重要性が認められ、多くの歴史的出来事がここで行われています。
東照宮よりも後に建てられたとあって、建築技術やそれぞれの彫刻の技法の違いなどをうかがい知ることができます。
建築的特徴
輪王寺大猷院の建築は、細部にわたる装飾や巧みな構造で有名です。本堂や門などの主要な建物は、精緻な彫刻や金箔の装飾が施され、この神秘的な場所は、日本の仏教建築の傑作として高く評価されており、その美しさは訪れる人々を魅了します。
東照宮の建て替えを遂行した家光公の墓所は、「祖父を凌いではならない」という家光公の意向を踏まえたひかえめな造り。本殿へ続く道には多くの門が用意され、派手さはなくとも華麗な装飾は見ごたえがあります。
見どころのハイライト
日光山輪王寺大猷院は、その歴史的価値と美しい建築で知られています。以下に、その主要な見どころをまとめて紹介します。
- 本堂:大猷院の中心となる建物群で、国宝に指定されています。この一連の建造物は「権現造り」という独特な建造様式で、金彩を多用した重厚で落ち着いた造りが特徴です。内部には狩野探幽による唐獅子の絵や、140枚の龍の天井絵、家光公が着用した鎧などが展示されています
- たくさんの門:日光山輪王寺大猷院には、いくつかの重要な門があります。それぞれに独自の特徴があり、精巧な装飾が施されています。仁王門
寺院の入口にある最初の門で、金剛力士像が安置されています。これらの像は「阿形」と「吽形」の二体で、「阿吽の呼吸」の語源ともされています。二天門
境内で最も大きな門で、持国天と増長天が安置されていることからこの名があります。扁額は後水尾上皇の筆によるものです。夜叉門
夜叉門には四体の夜叉像が安置され、門には牡丹の彫刻が施されています。そのため、別名「牡丹門」とも呼ばれています。四体の夜叉を理解してみて下さい。皇嘉門
奥の院の入口に位置し、明朝様式の竜宮造りで作られています。この門の先に家光公のお墓所があります。 - 龍光院:静かで落ち着いた雰囲気の中で、庭園の美しさや建築の精緻さをゆっくりと堪能できる場所です。龍光院では、自然と調和した空間で心を落ち着けることができます。
- 御水舎:御水舎(おみずや)は、訪問者が身を清めるための場所です。ここでは、訪問者は水を使って手や口を清め、心身ともに清浄にすることが推奨されています。この儀式は、神聖な場所を訪れる前の重要な準備の一部です。水面から天井を見て下さい。
輪王寺大猷院の見どころを順番に紹介
輪王寺大猷院の庭園は、一年を通してさまざまな表情を見せます。春の新緑、夏の緑陰、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節ごとの自然の移ろいを楽しむことができます。
輪王寺大猷院の見どころを順番に紹介します。
輪王寺大猷院入り口付近
日光山輪王寺 大猷院入口付近です。
国宝 徳川三代将軍 家光公霊廟との看板が目を惹きます。
写真の左の建物が仁王門前の拝観受付(入場券売り場)です。御守りや御朱印等もここで購入できます。
入場料:大猷院券=大人550円、小・中学生250円 です。
現在は書置きの御朱印が購入できます。
入場券を購入しました。
御朱印は通常用のものと限定版がありました。
下は限定版の金文字の物です。
参拝 日光山 金閣殿 令和6年1月3日
グレーの紙に御朱印に金文字の組み合わせですので、御朱印がわかりやすい様に画像を加工しました。
御朱印は、
参拝
中央には「葵の御紋」を守るために、二体の「迦陵頻伽」が描かれた印章が押されています。墨書はすべて金字であり、「金閣殿」というのは大猷院の国宝本殿を指します。
「日光廟大猷院」
それでは中を見学させて頂きます。
仁王門
仁王門は、大猷院への入り口として、切妻造りで銅葺きの八脚門となっています。この門の左右には、「阿」と「吽」の形をした仁王像が配置されています。
ここは大猷院への最初の門であり、「阿形」と「吽形」と呼ばれる2体の仁王像、「金剛力士像」として安置されています。伝統的に、「阿吽の呼吸」という言葉はここから由来しているとされています。
右側にある金剛力士像は、「阿形(あぎょう)」と呼ばれ、口を開いています。
高野槙
樹齢約400年の高野槙(こうやまき)。4代将軍家綱公自らの手によってここに植えられました。
日光山輪王寺の表示版より
御水舎
御水舎 【重要文化財】【世界遺産】 |
おみずや |
日光山輪王寺 |
九州の大名、鍋島勝茂公が寄進した御影石の御水屋です。天井には狩野永真安信による龍の絵が描かれています。水面に映る姿から「水鏡の龍」と呼ばれていました。 |
龍光院
龍光院 【重要文化財】【世界遺産】 |
りゅうこういん |
日光山輪王寺 |
三代将軍「家光」公の8歳年下の家臣であった梶定良(梶左兵衛佐定良・1612〜1698)は幼少より家光公に信任されて常に側近に仕えた重臣です。家光公亡き後も、江戸から日光に移り住み、元禄11年(1698)87歳で逝去するまで47年もの間、境内の警護にあたるとともに、家光公に霊膳を捧げるのを日課としました。逝去後、尊骸は大猷院近くに葬られ、位牌は龍光院の仏間に祀られています。
また、寛文の水害や貞享の大火の際には、私財を投じて日光の人々の救済に尽くしたので、地元民からは「梶さま」と現在も敬われ慕われ続けています。 |
この場所は、静かで落ち着いた雰囲気の中で、庭園の美しさや建築の精緻さをゆっくりと堪能できる場所です。時間を忘れて、自然と調和した空間で心を落ち着けることができます。
二天門
二天門は、日光の社寺の中で最も大きな門です。この門は、持国天と広目天の二つの天を安置することから「二天門」と呼ばれます。鮮やかな色彩と八脚の入母屋造りが特徴です。
二天門 【重要文化財】【世界遺産】 |
にてんもん |
日光山輪王寺 |
世界遺産、日光の境内で一番大きな門です。左に持国天、右には増長天が祀られています。を安置している事から二天門と呼ばれています。 正面「大猷院(たいゆういん)」の額は、108代天皇の後水尾上皇(ごみずのおじょうこう)により書かれた文字です。 「大猷院」とは、家光公の戒名(かいみょう)<大猷院殿贈正一位大相国台霊>の最初の三文字をとったものです。 |
左側には東を守る持国天が立ち、右側には西を守る広目天が立っています。持国天と広目天は迫力満点です。
左側の像は緑色の肌をしており、東方の守護神であり国土の守護神でもある持国天です。
右側の像は赤い肌をしており、広い視野で全ての悪を見抜く西方の守護神である広目天です。
風神の手には、東西南北を示す四本の指があります。
雷神の手には、現在・過去・未来を示す三本の指があります。
「幡」の礎石
「幡」の礎石 |
ばんのそせき |
日光山輪王寺 |
大法要などで境内に揚げる仏教様式の旗を「幡」、それを吊す竿を「幢竿(どうかん)」といいます。この特徴ある丸い石は、幢竿を立てる基礎石を護るための蓋となっています。境内には同様の基礎石が80箇所あります。 |
鼓楼・鐘楼
鼓楼・鐘楼 【重要文化財】 【世界遺産】 |
ころう・しょうろう |
日光山輪王寺 |
右側に鐘楼、左側に鼓楼がそびえます。鐘楼には釣鐘が、鼓楼には大きな太鼓が収められています。大きな法要の際には、この釣鐘と太鼓が打ち鳴らされました。 |
夜叉門
夜叉門は、夜叉に守られた門で、美しい牡丹が彩ります。切妻造りの楼門で、表面と背面の左右に4体の夜叉像が配置され、霊廟を鎮護しています。門には牡丹の唐草彫刻が施されており、「牡丹門」としても知られています。
夜叉門の案内板
夜叉門 【重要文化財】 【世界遺産】 |
やしゃもん |
日光山輪王寺 |
4体の夜叉(阿跋摩羅(あばつまら)、毘陀羅(びだら)、阿跋摩羅(あばつまら)、烏摩勒伽(うまろきゃ))が祀られ、霊廟(れいびょう)を守ります。夜叉門には、牡丹の花が彫刻されているので、別名「牡丹門(ぼたんもん)」とも呼ばれています。 なかでも青い「烏摩勒伽」は、破魔矢の発祥とされ、全国でも珍しいお姿です。 |
【東】
阿跋摩羅(あばつまら)は、緑色の体をしており、白虎の皮を腰に巻き、金色の肩掛けを身に纏っています。その表情は勇ましく、威厳を感じさせます。
【西】
犍陀羅(けんだら)は、右手に斧を持ち、忿怒の表情が迫力満点です。その靴は水玉模様のブーツ風であり、独特のスタイルを持っています。
【北】
烏摩勒伽(うまろきゃ)は、全国的にも珍しい仏像です。この像は、破魔矢の原点となる弓と矢を持っています。また、膝に小さな像が見えますが、この部分が「膝小僧」という言葉の由来となったと言われています。
唐門
唐門は、高さ3メートルで間口が1.8メートルと、大猷院の中で最も小さい門です。色鮮やかな彩色と精巧な彫刻が施され、上品な雰囲気を漂わせています。
【栃木・日光山輪王寺 大猷院】本殿・相の間・拝殿
本殿【国宝】は、大猷院の中心に位置し、建築当時の姿をそのままに残しています。多くの金彩が使われており、「金閣殿」としても知られています。内部には、狩野探幽が描いた唐獅子や、天井を覆う140枚の竜の絵などが見られます。
目に心に焼き付けて来て下さい。
※ここでの写真撮影は禁止されています。
本殿・相の間・拝殿 【世界遺産】【国宝】 |
ほんでん・あいのま・はいでん |
日光山輪王寺 |
大猷院の中心となる建物で、国宝に指定されています。ここでは月に一度法要が行われます。特に家光公の御命日にあたる4月20日の法要は大きな物です。
手前から本殿・相の間・拝殿と、3つの部屋が並ぶ造りを「権現造り」と言います。たくさんの金箔が使われていることから別名を「金閣殿」(きんかくでん)と呼ばれています。 |
日光山輪王寺公式サイトの画像です
皇嘉門
皇嘉門は、奥に家光公の墓所(非公開)があります。この門は、中国・明朝の建築様式である「竜宮造り」を採用しており、「竜宮門」としても知られています。
大猷院の入場券には皇嘉門が載せられています。
皇嘉門 【重要文化財】【世界遺産】 |
こうかもん |
日光山輪王寺 |
家光公御廟への入り口の門です。中国明朝建築の竜宮造りで、別名を「竜宮門」と呼ばれています。この門の先に家光公のお墓所があります。
「皇嘉門」の名は京都大内裏外郭十二門から取られ、朝廷より賜ったものです。 お墓所は非公開です。 |
左側が夜叉門、右側が唐門、及び本殿となります。
帰りの仁王門は閉門時間が近く中央は閉じていました。
閉門時間の30分前に閉じるとのことです。
訪問のコツ:アクセス方法と注意点
日光の輪王寺大猷院への訪問は、計画的に行うことで、より充実した体験が可能になります。以下に、アクセス方法と注意点をまとめました。
アクセス方法
- 公共交通機関:東京から日光へは、電車やバスが利用可能です。主なアクセスルートには、JRや東武鉄道があります。日光駅からは、バスやタクシーで輪王寺大猷院までアクセスできます。
- 自動車:車を利用する場合は、駐車場の有無と場所を事前に確認してください。特に観光シーズンは混雑が予想されるため、早めの駐車場確保が推奨されます。
訪問時の注意点
訪問時の注意事項を案内します。
- 開門時間と閉門時間: 輪王寺大猷院の開門時間と閉門時間は季節によって異なります。訪問前に最新の情報を確認し、余裕を持って訪問するようにしましょう。
- 服装と歩きやすい靴: 広い敷地を歩くことになるため、季節に応じた適切な服装と、歩きやすい靴を準備することをお勧めします。
- 撮影禁止区域: 輪王寺大猷院内には撮影が許可されていないエリアがあります。訪問前に撮影ルールを確認し、現地での指示に従ってください。
このガイドが、日光の輪王寺大猷院への訪問が、スムーズで有意義な体験となることを願っています。
まとめ:日光の輪王寺大猷院訪問で得られる唯一無二の体験
日光の輪王寺大猷院は、その歴史的、文化的価値に加え、訪問者に豊かな精神的体験を提供することで知られています。
文化的遺産としての価値
輪王寺大猷院は、日本の歴史と文化を今に伝える重要な場所です。その建築美と歴史的背景は、訪れるすべての人に深い感動と知識の豊かさを提供します。
精神的な静寂と安らぎ
日光の自然に囲まれた輪王寺大猷院は、都市の喧騒から離れた静けさを提供し、訪問者に心の平穏をもたらします。龍光院の庭園や本堂の静謐な雰囲気は、訪れる人々の心に長く残ります。
写真撮影と美しい記憶の保存
輪王寺大猷院の各スポットは、その瞬間を永遠に保存するための完璧な被写体となります。美しい景観と建築は、訪問者の記憶に新たな色彩を加え、美しい写真として残します。
日光の輪王寺大猷院への訪問は、ただの観光ではなく、文化的な洞察、精神的な充実、そして美しい記憶を得るための旅です。
この記事が、輪王寺大猷院への訪問のきっかけになることを願っています。
この時に日光輪王寺大猷院で破魔矢を購入したいですよね!?